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★3月の新入荷⑤★Peat’s Beast Batch Strength PX
2023.03.11
⑤ Peat’s Beast Batch Strength PX ピーツビースト バッチストレングス PX ¥900 / 990
※ フォックス・フィッツジェラルド社による蒸留所非公表のスコッチシングルモルト「ピーツビースト」のペドロヒメネスシェリー樽で9ヵ月の追熟を施したカスクストレングス品。35ppmのしっかりしたピート感からアイラモルトでは、との声が聞かれるが、私はスペイサイドのベンリアックのピーテッド説に一票。ピートスモーク感にPX由来のドライフルーツ系の甘みやスパイス感の加わった複雑な味わい。54.1%。
以前導入したスタンダードタイプの「ピーツビースト バッチストレングス」(52.1%)(以下PBBS)もしっかりしたピートスモーク感にバニラ+シトラスの香味やモルティなコクが感じられる非常にコスパの高い一品でした。本品はそのペドロヒメネスシェリー樽追熟版。期待していました。
飲んでみた感想です。色は赤みを帯びたダークアンバー。香りはPBBSとほとんど同じ。原酒は同じ蒸留所製なのだろう、と思われます。すっきりしていながらもモルティさを伴うピートスモーク香。ヨード系の香りはあまり感じず、内陸系のピート香に感じられます。シェリー樽由来の香りはそれほど主張しませんが、ピートスモーク香の背後に何らかの奥行きを感じます。
口当たりは54.1%としてはまろやか。モルティなコクがありPXらしいイチジク系の甘みと程よい酸味、しっかりした内陸系のピートスモーク感にはやや灰っぽさが感じられます。シェリー樽由来の香味は確実にあるのですが比較的控えめで全くくどさがなく、いいバランスです。飲み下すとなるほど50%は超えてるなという飲み応えがありますが、あくまでまろやかな酒質が印象的です。
余韻にはすっきりしたイメージだったPBBSに対し、PX樽由来と思われるまろやかなイチジク系の甘み+ほんのりクローブ系のスパイス感などが加わり、芳醇さが増しています。期待に違わぬ美味しさです。
少量加水すると口当たりはさらにまろやかになり、イチジク系の甘みが華やかさを増す印象。特に後退する香味は感じません。度数の高さもそれほど薄れず、これもオススメです。
ロックにすると幾分すっきりしてコクは薄れるかもしれませんが、甘みの伸びはよく、適度なピートスモーク感もしっかり残りこれも楽しめます。
この価格帯でこの味わいと飲み応え。フォックス・フィッツジェラルド社、いい仕事をしてくれます。