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★1月の新入荷⑥★Kyro Malt Rye

2024.01.19

 

⑥ Kyro Malt Rye  キュロ モルト ライ 47.2% ¥1100 / 1210

※ フィンランド産ライモルトウイスキー。同国産ライ麦麦芽100%で造られている。2014年から蒸留が開始され、アメリカンオークの新樽で3年以上熟成。香ばしさのある干し草系の香味にハチミツ+カラメル系の甘み、軽い酸味、ライらしいスパイス感。まろやかさと程よいコクのある質感で、アメリカのライウイスキーより樽感は抑えられており、原料の持ち味をしっかり出した個性ある味わい。当初は割高感の否めない500ml品しかなかったが、最近ようやく700ml品が入手できるようになった。47.2%。

★追記:本品は投入前に飲んだことがあり、上記の説明に私の感想も入れて書きましたので、飲んでみた感想は省略します。新しいタイプのウイスキーなので、もう少し詳しい情報や考察を追記しておきます。

通常モルトウイスキーと言えば大麦麦芽を原料としますが、フィンランドのキュロ蒸留所は2014年、100%ライ麦麦芽を原料としたウイスキーの生産を開始しました。ライ麦は大麦よりもさらに寒冷な気候に強い穀物というイメージがありますが、寒そうな北欧のフィンランドでは大麦が作れないのかというとそういうわけでもなく、生産量は日本よりも多いくらいのようです。ただ、伝統的にフィンランドではルイスレイパと呼ばれるライ麦パンが好んで食べられており、ライ麦をクラッカー状に焼いたクリスプブレッドもネッキレイペと呼ばれ人気があるようで、より「フィンランドらしいウイスキーを造ろう」とライ麦を原料に選んだ、ということなのかもしれません。

100%ライ麦原料のウイスキーはカナダやアメリカにもありましたが、100%ライモルト原料でモルトウイスキーの製法である単式蒸留(2回蒸留)でのライモルトウイスキーというのはキュロが初めてということになると思われます。(同年に同じフィンランドのヘルシンキ蒸留所もライモルトウイスキーを造り始めましたが、このときはこちらは大麦も混ぜて造っていたはずです。後にヘルシンキでも100%ライモルトウイスキーが生産されるようになりました。)熟成はアメリカのライウイスキーと同じアメリカンオークの新樽で行っていますが、また一味違う個性の仕上がりとなっています。ウイスキーの熟成中、同じ原酒を使用し2015年にリリースされた「ナプエジン」も高い評価を獲得。3年以上の熟成を経て、本品は2020年にリリース。同年のIWSCでは早速金賞を獲得しています。

最後に当店メニューにもある「ヘルシンキライモルト」(47.5%)と比較した感想を書いてみます。ヘルシンキは現在も500mlボトルしかなく、値段もかなりお高めですが😅。キュロにある軽い酸味はヘルシンキにはなく、ヘルシンキにはほんのり焦げ感を伴うほろ苦いオーク感があり、ボディも一段重みがあってまろやかさも感じます。キュロは比較するとライトで爽やかな印象です。この辺りは樽の焦がし方の違いや、ヘルシンキは原料に大麦(Barleyとあるので麦芽ではなく未発芽大麦ということでしょう)も使っていることが理由かと思われます。余韻ではキュロが爽やかな甘みが明確なのに対し、ヘルシンキはペッパー系のスパイス感が強く、甘みもありますが、ほろ苦いタンニン感を伴うオーク感が優勢。甘みにはアメリカンライに通ずる青りんご系の香味も感じられ、ヘルシンキの方がアメリカンライウイスキーに幾分寄った味わいと言えそうです。端的には軽やかなキュロ、重厚なヘルシンキというイメージ。それぞれ持ち味があっていいのではないでしょうか。興味のある方はぜひ飲み比べてみてください🎵。

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