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★5月の新入荷⑪★Powers Signature Release
2024.05.29
⑪ Powers Signature Release パワーズ シグネチャー 46% ¥800 / 880
※ ミドルトン蒸留所製アイリッシュポットスチル(以下IPS)。「レッドブレスト」と並び、同所のIPSのメインブランドのひとつ「パワーズ」。「レッドブレスト」がシェリー樽原酒をメインとしているのに対し、本品はバーボン樽原酒が中心で、少量のシェリー樽原酒が加えられている。ポットスチルウイスキーの特徴的魅力がより明確に味わえる一品だが、現在は終売。後継に「スリースワロー」が出ているが、度数は40%に落ちてしまった。代わりに「ジェムソン」から樽構成の異なる46%IPSが新たにリリースされている。46%。
★追記:3月の「アイリッシュウイスキー特集」で、それなりの数の方々にIPSの美味しさを知っていただけた手応えを得られたところで、IPSの「最も基本的な味わい」を楽しめそうな本品を投入してみました。「基本的」としたのはスコッチやアイリッシュの熟成で最も多く使われていて、樽由来の香味が比較的穏やかなバーボン樽を熟成の中心としているからです。では、以下私のテイスティングノートをそのまま記します。
色:明るいアンバー。色合いは「グリーンスポット」や「バスカーシングルポットスチル」とほぼ同じ。ラベルにNon Chill Filteredの表記はあるが、カラーリングについての表記はない。バーボン樽中心の熟成であることを考えるとカラーリングしているものと思われる。
香り:うっすらとリコリス系の香りを伴うハーバルな香りが優位。その奥にはバニラ系の甘みのある香りも。「グリーンスポット」の華やかな甘い香りと比較すると地味な香り。
味わい:まろやかなコクのある質感で、バニラ+何らかのフルーツ系の甘みと独特のハーブ感+スパイス感の後、ミドルトンのポットスチルらしいほろ苦さ。
フィニッシュ:飲み下すとペッパー、ナツメグ系のスパイス感、軽いリコリス系の香味、ほろ苦さ、そして甘みが余韻となって続く。
熟成樽に工夫を凝らしている他のIPS銘柄と比較すると華やかさはありませんが、まろやかかつ飲み応えのある質感と味わいはミドルトンのポットスチルの「素の魅力」を十分に伝えてくれます。独特のスパイス感、リコリス系の香味、ほろ苦さといったモルトとは異なるIPSの特徴を知るにはうってつけの1本ではないでしょうか。