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★6月の新入荷①★Writers’ Tears Cask Strength
2024.06.11
① Writers’ Tears Cask Strength ライターズティアーズ カスクストレングス 53% ¥1900 / 2090
※ ウォルシュウイスキー社製アイリッシュウイスキー。同社はグレーン原酒を使わずポットスチル原酒+モルト原酒という19世紀スタイルのアイリッシュブレンデッドを再興。バーナード・ショーやオスカー・ワイルドといった当時のアイルランドの文豪たちが愛したという双方の持ち味を見事に融合させた味わいは当店導入済みの「ダブルオーク」(46%)でも好評。本品は毎年少量リリースされる「カスクストレングス」の2017年リリース品。アメリカンオーク樽による熟成。モルトとはひと味違う深みのある味わい。53%。
★追記:今月の「エース格」はカテゴリーで言うと「ブレンデッドウイスキー」ですが、一般的なモルト+グレーンではなく、モルト+ポットスチルのブレンドという特殊なブレンデッドウイスキーです。20世紀以降このスタイルのウイスキーを造ったのはウォルシュ社が最初とのこと。このスタイルのウイスキーを好んだ19世紀のアイルランドの文豪たちは、彼らが涙を流すとき、その涙はウイスキーであったと言われるほどウイスキーを愛していた、という逸話から「ライターズティアーズ」の名が付けられたようです。
本品がリリースされた2017年時点ではウォルシュ社は「バスカー」を展開する現在のロイヤルオーク蒸留所を所有していましたが、その稼働は2016年からなので、本品はブッシュミルズのモルト原酒とミドルトンのポットスチル原酒をブレンドしたものと思われます。では飲んでみた感想です。
53%としてはなめらかさのある質感。トップノートには3回蒸留のアイリッシュモルト由来のすっきりした爽やかな香味とバニラ+ゴールデンシロップ系の心地よい甘みがありますが、ミドルレンジとボトムにはポットスチル由来と思われるシードオイル系の香ばしくリッチなフレーバーやほのかなハーブ感を伴うほろ苦さが感じられ、全体的にスッキリ感がありながら複層的でバランスのよい飲み心地。熟成樽はバーボン樽中心と思われ、樽由来のフレーバーは穏やかですが、しみじみと旨みのある味わいです。モルト+ポットスチルならではの良さを分かりやすく美しく表現した一品と評価したいと思います。ストレートがお薦めです。