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⑪ Millonario 15 Reserva Especial　ミロナリオ 15 リゼルヴァエスペシャル　40%　¥1250 / 1375

※ ペルー産ダークラム。長年「ロン・ミロナリオ」として親しまれてきたが、この「15」はブランドを代表する品であるにも関わらず、近年「ロン」(ラムのこと)を付けずに単に「ミロナリオ」名のラベルとなった。2021年にEUのラムの加糖規定が１Lあたり100g以下から20g以下に変更されたことによるものであろう。この規定以上の加糖をしたものは「ラム」とは呼ばず、「スピリットドリンク」扱いとなった。ミロナリオは本品に関して「ラム」の名を捨ててでもその甘みのしっかりした濃厚な味わいを維持することを選択したものと思われる。日本では「リキュール」分類となっているが、当店では分かりやすくラム扱いとさせていただく。40%。

★追記：ロン・ミロナリオのホームページを見ると、この「15」と並ぶブランドの看板商品「10 アニヴェルサリオ」や当店メニューにもある「10 チンクエンタ」(50%・以下10C)は「ロン・ミロナリオ」名義で販売が継続されていることがわかります。甘みを控えめにより蒸留酒としてのラムらしさを求める方向けには「10」、より濃厚な甘みを求める方向けには「15」、という棲み分けを固めた、ということになるでしょうか。それにしても看板商品から「ロン」の名を外すというのはかなり熟慮の末の判断だったことでしょう。

なるほど香りから「10C」よりもふくよかな甘みが感じられます。上品なシナモン＋クローブ系のスパイス香にまろやかなバニラ＋レーズン＋黒糖系の甘みが融合した香りです。口当たりはまろやか。ジューシーなシロップ系の甘みにクローブ系のスパイス感、コーラやレーズンを思わせる香味。ダークラムとしてはすっきりした質感でボディはミディアムというところ。飲み下すとクローブ＋シナモンまたはカルダモン系の複雑なスパイス感が広がり、ふくよかな甘みと調和します。なるほどかなり甘口ですが、香味と甘みの相性は秀逸で、この味わいを愛するファンがいるのは納得できます。余韻では魅力的なスパイス感とコーラ系の香味がすっきりした余韻を演出し、甘みをしつこくないものにしています。

甘党ではない私のような者は「もう少し甘みを控えてもとても美味しいラムであろうに」と思ってしまいますが、その役割は「10」が十分果たしてくれる、ということなのでしょう。確かに「10」も比較するとすっきりしてますが香味の方向性には共通点が感じられます。

最後に「10C」とのハーフ＆ハーフについて😊。本品「15」の持つ香味のふくよかさと45%見当の飲み応えが心地よく融合し、甘みもまだ甘口の部類ですが一段抑えられ余韻のスパイス感も秀逸。余韻にはオーキーな軽いタンニン感も感じられるようになり、非常に美味しいです。ミロナリオのいいとこ取りの楽しみ方と言えるのではないでしょうか。