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★3月の新入荷④★Tyrconnell 16y
2025.03.15
④ Tyrconnell 16y ティアコネル 16年 46% ¥1600 / 1760
※ クーリー蒸留所製アイリッシュモルト。クーリーの生産開始は1989年。当時ブッシュミルズとミドルトンの2つしか蒸留所のなかったアイルランドのウイスキー業界。復活へ向けての大きな転換点となった。長年3回蒸留が主流だったアイリッシュだが、クーリーは2回蒸留を採用。ピーテッドの「カネマラ」をリリースするなど、アイリッシュに多様性をもたらした。「ティアコネル」は19世紀の名馬の名を冠したノンピート品。本品はそのバーボン樽による16年熟成の限定品で芳醇なフルーティさの際立つ一品。46%。
★追記:5年ほど前、第1回の東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)関連のイベントに参加した際、アイルランドのパワーズコート蒸留所の「Fercullen(ファーキュレン/フェルカレン) 14年」(46%)というシングルモルトを試飲させてもらいました。大吟醸の日本酒を想起させるような爽やかな香りとパイナップル系のフルーティな甘みに大変感銘を受け、日本発売を楽しみに待っていたのですが、結局それが日本に入荷することはありませんでした。パワーズコートの蒸留開始は2018年。当然その「14年」は他社製原酒によるもので、クーリー製のバーボン樽熟成品ということが分かっていました。
そこで、クーリーの15年程度のバーボン樽熟成品を探していたのですが、本品「ティアコネル16年」はまさにそれ。しかも46%品🎵あの「ファーキュレン」の味わいに近いのではないか、と個人的には今回の「アイリッシュウイスキー特集」の中でも最も楽しみにしていた一品でした。では以下テイスティングノートです。
色:明るいアンバーブラウン。バーボン樽熟成としてはやや濃い色合い。カラーについての記述はラベルにもカートンにもなく、カラメルを使っている可能性もありそうです。
香り:オークスパイスの香味が予想以上に強く、バニラ+花蜜系の甘みのある香りがそれを彩ります。
味わい:スムーズな口当たりで、トロピカルフルーツ系のふくよかな甘みが明確なジンジャー+ペッパー+オーク由来のスパイス感とせめぎ合う味わい。背景には焦がしカラメル系の香味とほろ苦さも感じられます。質感はやはり2回蒸留ということでアイリッシュとしては厚みを感じる印象です。
フィニッシュ:飲み下すと先述のスパイス感が一段強まり、それが退いていくとコクのある甘みと焦がしカラメル系のほろ苦さの余韻。やはりカラメルが添加されていそうな印象を受けます。これはこれで複雑さもあり美味しいのですが、このカラメル系のフレーバーは「ファーキュレン」のイメージとは少し違っていました。ちょっと思っていたものとは違ったとはいえ、さすがクーリーの16年、間違いなく美味しい一品ではあります👍
少量加水すると、スパイス感とほろ苦さが幾分穏やかになり、コクのある甘みが前に出る印象です。飲み応えは少し柔らかくなってしまいますが、バランスは良好です。