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★3月の新入荷⑥★Boann Pot Still PX Cask

2025.03.19

 

⑥ Boann Pot Still PX Cask ボアン ポットスチル PXカスク 47% ¥1500 / 1650

※ アイリッシュポットスチル。ボアンのポットスチルはモルト、未発芽大麦に加えオート麦やライ麦も原料に加えられた独自のレシピ。先月投入し好評だった「マルサラカスク」の基本熟成がバーボン樽だったのに対し、こちらはアメリカンオークのオロロソシェリー樽。追熟には60年ソレラシステムで使用された貴重なマラガのPX(ペドロヒメネス)樽が使われており、その一部は栗材とのこと。大きく異なる熟成樽のプロフィールはまた一味違うフレーバーを生み出してくれているに違いない。47%。

★追記:近年、世界的に売上を伸ばしているアイリッシュウイスキー。当店でも積極的にメニューを増やしているカテゴリーですが、そもそもの私のお気に入りはミドルトン蒸留所のポットスチルウイスキー。「スポットウイスキー」「レッドブレスト」「パワーズ」などの銘柄がそれです。この「アイリッシュポットスチル」というカテゴリーのウイスキーは、近年までほぼミドルトンでしか造られていませんでした。しかし新興蒸留所の中にはこのカテゴリーに挑戦するところも多く、様々な蒸留所のポットスチルが飲めるようになってきていることはたいへん喜ばしく思います。さて、このボアンもそうした新興蒸留所のひとつですが、先月投入した「マルサラカスク」の当店での評判も上々。この「PXカスク」も期待してしまいます。では以下テイスティングノートです。

香り:すっきりした香り立ちとトップノートに感じる爽やかなグラッシーな穀物香は「マルサラカスク」(以下MC)との共通点を感じますが、異なる熟成樽による香味の違いは明らか。PX由来と思われる甘みのあるブドウ系の香りが特徴的です。

味わい:MC同様すっきりした質感で、やはりミドルトンのポットスチルよりはライトな感じがします。香りに感じた甘みのあるブドウのアロマを感じつつ、ややくすんだリフィルシェリー系のフレーバー。基本熟成に使用しているアメリカンオークのオロロソ樽というのはリフィル樽ではないでしょうか。シェリー樽由来の香味は明確ながら控えめな部類で、MCと共通するボアンのポットスチルの原酒の個性が分かりやすい仕上がりと言えそうです。

フィニッシュ:飲み下すとリフィルシェリー系の香味はスッと弱まり、軽めのオークスパイスのあと、程よい甘みのブドウのアロマの漂う余韻。一部使用しているという栗材は独特のタンニン感を加えるイメージがありますが、それ程タンニン感は感じません。

PX由来と思しき上品なブドウの香味は非常に魅力的ですが、個人的な好みとしてはリフィルシェリー系のフレーバーはふくよかさを増す効果は感じられるも、ちょっとそれを邪魔している印象も。基本熟成がMC同様バーボン樽だったらより好みの味わいになりそうなのにな、と思いました。

少量加水: 加水する程に特徴的なリフィルシェリー系の香味、ブドウのアロマ共に弱まりますが、バランスとフレーバーの伸びは悪くなく、味わいの変化具合はロックも楽しめるタイプではないかと思います。

 

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