back
★3月の新入荷⑫★Kinahan’s Kasc Project M
2025.03.27
⑫ Kinahan’s Kasc Project M キナハンズ カスクプロジェクト M 45% ¥950 / 1045
※ アイリッシュモルト。キナハンズは1779年にダブリンで創業し1845年には最初の王室御用達となった歴史あるブランドで、2014年に復活したボンダー。以前導入した「LL10年」が秀逸だったので動向を注視していたが、今回は様々な種類の樽材を組み合わせる「ハイブリッドカスク製法」なる革新的製品をリリースしてきた。ポルトガルオーク、アメリカンオーク、フレンチオーク、ハンガリアンオーク、栗の5種類の樽材を組み合わせた特注の樽で熟成したシングルモルト。原酒の供給元は公表されていない。45%。
★追記:5種類もの樽材を組み合わせた特注樽での熟成!たいへんな手間をかけたウイスキーですね。その手間の割にはありがたいお買い得価格と言えそうです。4種のオーク材を使うだけでも珍しいのにさらに栗材を使っていることも注目したいところ。ウイスキーの熟成が「オーク樽で」と限定されているスコッチではできない試みです。この特別な樽がどのようなフレーバーを生むのか、とても楽しみにしていました。では以下テイスティングノートです。
香り:複雑なウッドスパイス香とコクのある甘みを感じる香り。ほんのり絵の具のニュアンス。
味わい:香り同様複雑なウッドスパイス感、フルーティなコク、焦がしカラメル系の香ばしさのある甘み、軽めのタンニン感。かなりしっかりしたボディに感じられ、2回蒸留の可能性も感じます。
フィニッシュ:飲み下すと一段と鮮やかなスパイス感が広がり、ブドウ系のフルーティさを伴うコクのある甘み、ほのかなタンニン感を伴う香ばしいナッツ系の香味と調和した余韻へと続きます。
5種の樽材の詳しいプロフィールは明らかにされていませんが、鮮やかなウッドスパイス感とコクのあるフルーティさを併せ持った仕上りから、一部は新樽、一部は酒精強化ワインなどでシーズニングされた樽材を使用しているのではと想像します。キナハンズは公式HPで「熟成年数が必ずしも風味の成熟に寄与するとは限らない」と語っていますが、なるほどノンエイジ品ながら若さを感じさせない熟成感があり、単に個性的フレーバーというだけでなく完成度の高い仕上がりです。「LL10年」のときも思いましたが、やはりキナハンズは注目すべきブランドと言えそうです。
少量加水: ブドウ系の香味のコクのある甘みが前に出ます。個性である複雑なスパイス感は幾分抑えられますが十分に主張し、バランスの取れたマイルドな味わいでこれもいい感じです。