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バー アンサング全メニュー⑩ ジン
2020.05.11
「ジンの発祥はどこの国でしょう?」というクイズに、どこと答えますか?「イギリス」と答える人が多いのではないでしょうか。実は正解はオランダです。元々は熱病の対策に、利尿効果が期待できる薬酒として開発されました。ジュニパー・ベリーという果実で爽やかな香り付けをされたこのお酒は、17世紀後半にオランダの総督がイギリスの国王に就任し、母国の酒ジンの普及を奨励したことでイギリスで大人気となっていったのです。
イギリスで進化を遂げた現代の主流となっているジンは、「ドライ・ジン」とか「ロンドン・ドライ・ジン」と呼ばれています。ここでちょっとややこしいのは、「ロンドン・ドライ・ジン」は必ずしもMade in Londonというわけではありません。ある種のジンの種類と考えてください。例えばアンサングのメニューにあるシデリットはスペインのジンですが、そのボトルには「London Dry Gin」と書かれています。
現在でもジンは「ジュニパー・ベリーで香り付けをした蒸留酒」と定義され、ジンには必ずジュニパー・ベリーが使われています。一方で近年は「クラフトジン」と呼ばれる個性的な味わいを持つジンが世界中で続々リリースされ、一大ブームを引き起こしています。ジンの香味成分に使用されるハーブ、スパイス、フルーツ等をジン用語で「ボタニカル」と言いますが、クラフトジンでは各蒸留所がジュニパー・ベリー以外にそれぞれこだわりのボタニカルを使用することによって、特有の風味が生まれているのです。ジンの項目では、各銘柄の特徴的なボタニカル等も一緒に紹介していきますので、興味のあるものを選んでいただいて、それぞれの個性を味わっていただけたら嬉しいです。
クラフトジンを飲む際には、何かで割って飲むのでしたら、私はトニックではなく、ソーダで割ることをお勧めします。ジントニックはもちろん美味しいのですが、トニックはそれ自体にけっこう味が付いていますので、クラフトジンのそれぞれの個性を味わうにはソーダの方が分かりやすいと思います。
また、伝統的なオランダジンである「ジュネヴァ」やドイツで独自の進化を遂げた「シュタインヘーガー」などもぜひ一度は飲んでみていただきたいですね。これらはベーススピリッツが大麦麦芽を使った単式蒸留で作られていて、ドライ・ジンとはまた違うコクのある味わいですよ。
では、以下ジンのメニューです。生産国ごとに紹介していきます。
価格は税抜表示です。
★ UK イギリス (アルファベット順)
Beefeeter 47% ビーフィーター ¥500
※ 最も定番とされている伝統的ロンドン・ドライ・ジン。ボタニカルは12種。
Bloomsbury Orange Gin ブルームズベリー オレンジジン ¥500
※ オレンジのフレーバーを施したジン
Bombay Sapphire ボンベイサファイヤ ¥500
※ ヴェイパー・インフュージョンのパイオニア。10種のボタニカルによる爽やかな香味。
The Botanist ボタニスト ¥650
※ アイラ島のブルイックラディ蒸留所の作る、31種ものボタニカルを使用した香り華やかなジン。
Geranium Gin ゼラニウムジン ¥650
※ ゼラニウムの花を使用。スッキリした味わいにほのかに花の香り。
Gordon Gin ゴードン ¥500
※ 特許を取得した門外不出のレシピで世界中で愛されているスタンダードジン。
Hendrick’s Gin ヘンドリックスジン ¥700
※ ウイスキーも製造するガーヴァン蒸留所製。バラやキュウリが独自のボタニカル。
Jinx Old Tom Gin ジンクス オールドトムジン ¥650
※ オールドトムジンは甘みの付いたジン。こちらはオレンジピールのフルーティーさが特徴。
Kingsbury Victorian Vat Gin ヴィクトリアンヴァット ¥550
※ ボタニカルはジュニパーベリーのみ。その香味をふんだんに効かせたクラシックスタイル。
Plymouth Gin プリマスジン ¥500
※ イギリス海軍の御用達だった由緒正しきジン。
Silent Pool サイレントプール ¥800
※ ラベンダー、エルダーフラワー、バラ、洋梨、ライムなど24種を3工程に分けて丁寧に香り付け。
Star of Bombay スターオブボンベイ ¥700
※ サファイアの10種にベルガモット、アンブレットシードを加えじっくり蒸留したプレミアム・ボンベイ。
Tanqueray タンカレー ¥500
※ 4回の蒸留を繰り返す独自の手法による洗練された香りと味わいのスタンダード・ジン。
Tanqueray No.10 タンカレー No.10 ¥650
※ 旧式のTiny Tenと呼ばれる小型の蒸留器を敢えて使用し、手間暇かけて作られている。
★ Netherland オランダ (アルファベット順)
Bobby’s Gin ボビーズ ジン ¥850
※ レモングラス、フェンネルなどハーブが爽やかに香るプレミアムジン。
Bols Old Genever ボルス オールドジュネヴァ ¥500
※ ジンの故郷オランダの伝統的な製法を受け継ぐジュネヴァ。コクのある味わい。
★ Germany ドイツ (アルファベット順)
Monkey 47 モンキー 47 ¥1100
※ その名の通り47種のボタニカルを使用し47度で作られた複雑かつフルーティーなプレミアムジン。
Schlichte Steinhager シュリヒテ シュタインヘーガー ¥500
※ 生のジュニパーベリーを発酵・蒸留したスピリッツを含むドイツ独自のまろやかなジン。
★ France フランス (アルファベット順)
Eyguebelle Gin エギュベル ジン ¥550
※ 修道院で作られているジンで、花のような香りとほのかな甘みのやわらかい味わい。
G Vine Gin Floraison ジーヴァイン フロレゾン ¥700
※ G Vineのベーススピリッツはコニャックと同じユニ・ブラン種のぶどうから作られる。ボタニカルにその花も使用し、華やかな香りとフルーティーな味わいを持つ。
G Vine Gin Nouaison ジーヴァイン ノエゾン (旧ラベル) ¥700
※ ベーススピリッツはフロレゾンと同じながら、キリっとスパイシーでドライな味わい。
G Vine Nouaison Gin ジーヴァイン ノエゾンジン ¥700
※ リニューアルに伴い、ボタニカルに白檀とベチバーを追加。ウッディな香りが加わった。
Gin Gelas ジェラス ジン ¥650
※ アルマニャックの名門によるぶどうスピリッツのジン。オリーブの使用や樽で数ヶ月熟成が特徴。
Le Gin de Christian Drouin ル・ジン (クリスチャンドルーアン) ¥650
※ カルヴァドスの名門によるりんごスピリッツのジン。8種のボタニカルを別々に蒸留してブレンド。
Magellan Gin マゼラン ジン ¥600
※ シタデル社のジンをベースに花菖蒲の花と根を使用した、美しいライトブルーの香り高いジン。
★ Spain スペイン
Siderit Gin Hibiscus シデリット ハイビスカスジン ¥950
※ シデリットはスペイン北部固有のシソ科の高山植物。これをボタニカルに加え、さらにこのボトルではハイビスカスの花を漬け込み再蒸留。美しいピンク色と花の香りを引き出している。
★ Austria オーストリア
Stin Styrian Gin スティン ¥1400
※ オーストリア・スティリア産のエルダーフラワーやりんごを含む28種のボタニカルを使用。わずか50リットルの極小銅製単式蒸留器で非常にゆっくり蒸留することによって最大のアロマを獲得。ジンとしては異例の価格ながら、納得の素晴らしい香り。47%。
★ Italy イタリア
Bottega Bacur Gin ボッテガ バクール ジン ¥650
※ イタリアンアルプスのジュニパーベリー、地中海のセージ、シチリアのレモンピールといった地元のボタニカルを使用。バクールとは銅のことで、蒸留に使う銅製単式蒸留器に由来。
★ Japan 日本 (アルファベット順)
Kanomori 香の森 ¥700
※ 日本古来の香木、クロモジをメインに18種のボタニカルを使用。気品あるウッド感を持つ。
Kinobi 季の美 ¥700
※ 米のベーススピリッツに柚子、山椒、玉露、ヒノキなど和のボタニカルにこだわったジン。
Kinotea 季のTEA ¥800
※ 最高級の宇治茶を使用し、さらに茶の香りを強調した日本人にはたまらないジン。
Nikka Coffey Gin ニッカ カフェジン ¥750
※ 山椒の香りに柚子、かぼす、甘夏などの和柑橘が調和した味わい。
Roku Gin 六 ¥600
※ その名の通り6種のボタニカル = 柚子、桜花、桜の葉、煎茶、玉露、山椒を使用。
Sakurao Gin 桜尾 ¥600
※ 地元広島のレモン、柚子、牡蠣殻、桜、ヒノキなど14種のボタニカルを使用。
Wa Bi Gin 和美人 ¥700
※ ライベースのスピリッツに地元鹿児島の金柑、柚子、辺塚橙などの柑橘類を中心に月桃、緑茶、
シナモンを含む10種のボタニカルを使用。
Yuzugin 油津吟 ¥700
※ ベースは芋スピリッツ。柚子、日向夏、ヘベスの柑橘香が華やかなジン。
以上、ジンのメニューでした。
次回はラムのメニューを掲載いたします。