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★11月の新入荷⑫★St. Laurent Acerum

2021.11.27



⑫ St. Laurent Acerum サンローラン アセラム ¥850 / 935

※ 2018年にカナダ・ケベック州の特産スピリッツを目指し発足したメープルスピリット蒸留所連合の規定に準じて製造されたカエデの樹液(メープルシロップ)を原料とする蒸留酒。アセラムは、カエデを意味するラテン語acerとラム酒rumに由来。ラム様の製造手法で作られる。銅製ポットスチルで2回蒸留後、1年以上樽熟成。甘味料などの添加物は一切加えられていない。軽くフルーティーなアロマ、ココナッツ、わずかにスパイシーでタンニンを帯びたウッド感、メープルバターのクリーミーな余韻。40%。

昔、カナダには「メイプルブランデー」と呼ばれたやはりメイプルシロップを原料としたお酒があった記憶がありますが、それとはまた異なる新しいジャンルの蒸留酒の登場です。どんなお味なのか興味津々で入荷しました。

香りは意外にもブラックペッパーを感じる香り。かすかにバター醤油やクリームのニュアンス。メイプルシロップ感は全くありません。

口当たりはまろやか。アメリカンオーク樽熟成らしいのですが、なるほどバーボン樽熟成のスコッチモルトと共通する穏やかなバニラ系(むしろクリーム系)の香味が感じられます。アメリカンウイスキーのようなチャーした新樽のそれとは異なる香味。中古樽熟成なのかな?柔らかでクリーミーな甘みとブラックペッパーのアクセント。なるほどウイスキーともラムとも異なる新ジャンルの味わいですが、メイプル感は味わいにも感じられません。

フィニッシュ(後味・余韻)に大きな変化はなく、クリーミーですっきりした甘み、ブラックペッパーに軽い塩味とほんのりオーク感。

すっきりしたクリーミーな甘みとブラックペッパー感が特徴と言えそうです。ウイスキーやラムの飲み手にはちょっと物足りないかもしれませんが、新ジャンルとして「なるほど」とは思える記念すべきロットナンバー0001(写真ラベルの左上に書いてあります)。メイプル材のインナーステイヴを施すなりして、もう少しメイプル感があってもいいのでは、という気もします。今後もし熟成年数を長くしていくのであればまた試してみたいと思えるスピリッツとしての質の高さは感じますが、現状では正直なところそこまで完成度は高くはない印象。軽めのまろやかな蒸留酒を飲みたい、という方にはお薦めできるかな、というところです。クセはないお酒なので、カクテルベースとしての可能性は感じますが、現在の価格では広く普及するのは難しいように思われます。積極的にぜひ、とは申しませんが、興味のある方は一度試してみても面白いのではないでしょうか。

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