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★1月の新入荷⑩★Taketsuru Pure Malt (新ボトル)
2023.01.22
⑩ Taketsuru Pure Malt (新ボトル) 竹鶴 ピュアモルト (新ボトル) ¥900 / 990
※ ジャパニーズブレンデッドモルト。2020年3月にリニューアル&数量限定発売となった新・竹鶴。2021年4月から運用開始となった「ジャパニーズウイスキー」の定義に合致する、旧ボトルで使われていたベンネヴィス製原酒を排した余市、宮城峡のモルト原酒のみ(キーモルト:シェリー樽熟成余市・シェリー樽熟成宮城峡・リメード樽熟成宮城峡)によるブレンド。宮城峡の華やかでフルーティな甘みと余市のコクのある厚み、ピート感、ほろ苦さが調和した味わい。43%。
2021年2月に行われた日本洋酒酒造組合の理事会にて定められた「ジャパニーズウイスキー」の定義。日本産ウイスキーの評価が世界的に高まってきた一方で、海外産の輸入ウイスキー原酒を国内で瓶詰めした製品が「ジャパニーズウイスキー」を掲げて国内外で流通している憂慮すべき実態の改善を目指したもので、私もこのニュースを歓迎したものでした。ニッカもこうした業界の意向を察知していたのか、いち早く看板ブランドのひとつ「竹鶴」のリニューアルを発表。それまで原酒のひとつとして使われていたスコットランドのベンネヴィス蒸留所(ニッカがオーナーとなっている)製原酒を排除し、純国産ブレンデッドモルト「新・竹鶴」を発表。「竹鶴」は新基準においても晴れて「ジャパニーズウイスキー」を名乗れる製品となったわけです。
「竹鶴」自体もNHKの朝ドラ「マッサン」や、世界的品評会での評価の高まりで人気が高騰。原酒不足となり「17年」や「21年」の生産中止を発表。その中でベンネヴィス製原酒を使わずにリニューアルというのはかなり険しい挑戦ではなかったか、と思いますが、さすがですね。美味しいウイスキーに仕上がっています。
旧ボトルとはやはり幾分違う味わいで、あんず系のフルーティさ+べっこう飴系のコクのある魅力的な甘みは華やかさを増して、飲み下すと上品な樽感がボディの厚みとふくよかさを演出します。(樽感やスパイス感は旧ボトルの方が強いように思われます。)43%らしく、強くも薄っぺらくもないバランスのいい飲み心地です。リリース時の公式アナウンスでは「今回のリニューアルでは、余市モルトの原酒使用比率を高めることで、コクや香ばしいピートの余韻を付与させました。」とのこと。確かにコクのある味わいですがピート感は余韻にほんのりと現れるくらいで、私の印象としては余市のイメージよりも華やかな宮城峡の香味が強くなったような感じがします。
新旧どちらがいいかは好み次第だと思いますが、私はこの新ボトル、たいへん気に入りました。今や稀少な旧ボトルも新品を同時に投入しました(同価格とさせていただきました)ので、興味のある方は飲み比べも楽しんでいただけたらと思います。