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⑤ Isle of Raasay R-02　アイルオブラッセイ R-02　¥1150 / 1265

※ アイランドモルト。スカイ島にほど近いラッセイ島初の蒸留所、アイルオブラッセイ蒸留所は2017年に稼働開始。2021年、初の自家製シングルモルトとして「R-01」をリリース。本品はそれに続く2022年発売の第２弾。ハウススタイルとしているノンピートとピーテッドの原酒をライウイスキー樽、ボルドー赤ワイン樽、チンカピンオーク(アメリカンオークの一種)新樽の３種でそれぞれ熟成しブレンドした構成。バニラ、バタートースト、チェリー、程よいピート感などの香味がまろやかに調和。46.4%。

アイルオブラッセイ蒸留所は蒸留開始の翌年2018年には同所の目指すハウススタイルのサンプル的ボトル「ホワイルウィウェイト」(以下WWW)をリリース。原酒はハイランドの蒸留所から調達したものであるものの、ノンピートとピーテッドの原酒を組み合わせ、熟成の一部に赤ワイン樽を使用するという手法は本品とも共通したものでした。そして自家製の原酒を使って完成した本品。早くからあった明確なハウススタイルのビジョンがどのように結実するのか、楽しみにしていました。

熟成期間は短いものの、それを補うべく採用したチンカピンオーク新樽やライウイスキー樽での熟成は見事に奏功し、その出来栄えはWWWを上回るものと言っていいのではないでしょうか。WWWはアーシーな内陸系のピート感のイメージで、モルティでやや重めのボディ感になるほど赤ワイン樽由来と感じさせる香味がアクセントとなったやや重厚な味わい。これに対し本品は海感のあるピート感にやや軽めのボディのすっきりした質感。ワイン樽由来の香味は隠し味的でバニラ＋フレッシュフルーツ系の爽やかな甘みに程よいペッパー系のスパイス感の感じられる、爽快で上品な仕上がりです。

正直WWWとは予想以上に異なる味わいでしたが、早くからのビジョンを貫き、研究と工夫を重ね短期間でこれほどの完成度の製品を送り出した蒸留所に拍手を送りたいと思います。