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★3月の新入荷④★Dingle Single Malt

2023.03.10

 

④ Dingle Single Malt ディングル シングルモルト ¥1000 / 1100

※ 2012年創業ディングル蒸留所製アイリッシュモルト。「量より質」の方針のもと、過去いくつかの限定リリース品が好評だった同所が満を持して送り出した初のレギュラー品。アイリッシュ伝統の3回蒸留を採用、バーボン樽とPXシェリー樽で5~7年熟成した原酒を39:61でブレンド。フルーティなアロマにバニラやレーズン、蜂蜜感を伴う優しい甘み、程よいスパイス感が調和。46.3%。

近年、驚くべき勢いでウイスキー蒸留所の建設ラッシュが起きているアイルランド。2000年にはたった3所しかなかったアイルランドの蒸留所は現在40を超えたようです。そのほとんどが2010年以降の創業で、今後どんなアイリッシュウイスキーが出てくるのか大いに楽しみです。

そんな中、ちょっとややこしいのが、最近のアイリッシュにはどこの蒸留所製なのか分からないいろんなブランドのシングルモルトが存在すること。もちろんスコッチにも蒸留所名以外の名を冠したシングルモルト製品もありますが、多くはどこの蒸留所製のものか分かるようになっています。アイルランドの新興蒸留所の中には蒸留所名を冠した製品なのに原酒の製造元は別の蒸留所だったりすることもあり、「お、自社製モルトが完成したのかな?」と調べてみると「なんだ、違うのか」となることも😓。日本でも似たような現象が問題となりましたが、モルトファンはそれぞれの蒸留所の個性を大事に考えている人が多いと思うので、このあたりは今後消費者に分かりやすくなってくれるといいですねえ。

さて、本品は新興のディングル蒸留所が正真正銘自社で蒸留した原酒で作ったシングルモルトの初のレギュラー品。こういう製品こそがその蒸留所の方向性や実力を示してくれるものだと思うので、飲んでみたくなりますね。

ディングルという名は蒸留所のあるアイルランド南西部の半島、および街の名前です。蒸留所のシンボルとしてラベルにも描かれている帽子をかぶった少年のような姿は「レンボーイ」といい、地元の「聖ステファノの日」の祭りに現れる悪魔払い的な力を持ち、幸福をもたらす妖精だそうです。

では、飲んでみた感想です。色はやや明るめのアンバー。PX樽熟成が61%というのはなるほど、という色合い。香りですが、スコッチのPX樽熟成品とはちょっと違う香りで、PXの甘みのあるフルーティさ、というよりは樽由来のクローブ系+湿ったウッド系のスパイス感を強く感じる独特のシェリー香です。同じアイリッシュモルトの「ダンヴィルズ VR PX」を思い出しました。アイリッシュモルトにPX樽を使うことによる何らかの傾向があるのか、興味深いです。全体的にはバーボン樽由来の香味とも相まってバニラ系の甘みとシェリー樽由来の香味が程よく調和した魅力ある香りです。

口当たりはスムーズ。3回蒸留らしいすっきりした酒質を感じますが、PX樽由来と思われるほろ苦さとスパイス感にバニラ+シェリー系の甘み、軽い酸味が加わり、パンチのあるかなりしっかりした味わいです。香り同様、味わいにも独特のシェリー感が明確に感じられます。美味しいと思いますが、あるいはこの香味は好みが分かれるかもしれません。

少量加水すると、バニラ系+PXらしいフルーティな甘みがぐっと前に出て、ほろ苦さを伴う独特のシェリー感が柔らかくなる印象。個人的にはこちらのバランスが断然好みで、クリーンなイメージのボディにもマッチするように思われます。お好み次第とは思いますが、ストレートだとシェリー樽由来の香味がちょっと濃すぎるのかもしれません。

ロックにしても心地よいリッチな甘みが主体の味わいに程よいスパイス感も感じられいいバランスです。氷が解けてきたときの甘みや香味の伸びもよく、ロックもおすすめです。

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