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⑫ El Ron Prohibido 12 Reserva　エル ロン プロイビード 12年　¥700 / 770

※ メキシコ産ダークラム。ブランド名を訳すと「禁じられたラム」。18世紀初旬、スペインはメキシコに輸出した甘口ワインの空き樽にメキシコのラムの原型的な酒「チンギリート」を詰め本国へ持ち帰り販売。それが人気となり、国内の産業の脅威になると国王がこれを禁止した史実から名付けられた。甘口の酒精強化ワインの熟成に用いられた樽を用いたソレラシステムにて12年相当の熟成。 ドライフルーツやワインを思わせる香味にバニラ、ナッツ、カラメル、チョコ、コーヒーのニュアンス。40%。

なかなか興味深い名の由来を持ったメキシカンラム。スペインとの結び付きが強そうなメキシコならではのエピソードですね。それを禁止して保護したスペイン国内の蒸留酒産業というとやはりブランデーでしょうか？18世紀前半のブランデーがどんなものだったのか分かりませんが、ブランデーよりもラムを好んだ人が多くいても確かに不思議ではありません。まして甘口ワインの樽に詰められ船で揺られてきたラムなんてなるほど美味しそうです😋。

メキシコのラムは当店では初導入になりますが、あれほど美味しいテキーラを生み出す国。ラムも美味しくないわけがなさそう。では、飲んでみた感想です。

色は赤みのあるダークブラウン。非常に深く濃い色合いで、ボトルの向こうが見えないほど。レーズンやポートワインを思わせるブドウ系のフルーティで甘みのある香味にバニラやクローブ系のスパイス感を感じる香り。

口当たりはまろやか。やはりポートワインを想起させるブドウ系のアロマを持つまろやかな甘み、早摘みフルーツ系の酸味、クローブ、シナモン、ペッパーなどのスパイス感。甘みはかなり強めで、他のそれぞれの香味もしっかりしていて、かなり濃い味わいです。余韻ではレーズン系の甘みや様々なスパイス感が退いていくにつれ、ダークチョコやコーヒーのようなほろ苦さが湧き上がってきます。

ロックにすると、元の味わいが濃いので、加水で伸びた方が飲みやすくなる印象。バニラ系の香味も強まります。アルコールの刺激は弱まりますが、元がそんなに強いわけでもないので、それほど気になりません。余韻のダークチョコ系のほろ苦さはロックにしても感じられます。

なるほどかつて禁じられた甘口ワインの樽で熟成させたラムというコンセプトを明確に感じられる仕上がり。しっかりした味わいで薄まっても持ち味が感じられ、様々な飲み方が楽しめそうです。