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※ 同じアガヴェを原料としたメキシコの蒸留酒ながら、ブルーアガヴェ種のみで造られるテキーラに対し、他のアガヴェ品種でも造られるメスカル。メスカルは小規模蒸留所で原始的な製法で造られていることが多く、穴を掘って原料を蒸焼きにする工程により、独特のスモーク感があります。また、樽熟成をしないものが一般的で、アガヴェのボタニカル感を楽しむ酒と言えそうです。テキーラよりもややクセのある香味があり、好みの分かれそうな印象があります。

当店ではこれまでテキーラを80品ほど導入してきましたが、今月はそのメスカルを初導入してみました。せっかくメスカルを導入するなら、アガヴェ品種や生産地域による味わいの違いをお楽しみいただきたく思い、各地域にまつわる品種ごとに異なるボトルをリリースしているブランド「デルンベス」の４種を導入することにしました。それぞれの品種の持つフレーバーの違いをお楽しみいただければ幸いです。

⑧ Derrumbes Oaxaca　デルンベス オアハカ　46.5%　¥850 / 935

※ オアハカ州は、メスカル生産の中心地。原料アガヴェはメスカルの代表品種エスパディン70%＋希少な野生種トバラ30%。メスカルらしい燻し系のスモーキーさに軽い酸味とすっきりした甘みの感じられるクラシックなスタイルに近い味わい。

⑨ Derrumbes San Luis Potosi　デルンベス サンルイスポトシ　44.3%　¥850 / 935

※ サンルイスポトシ州は中央メキシコ高原のある高地乾燥地帯。原料アガヴェはこの地域固有の野生種サルミアナ100%。アガヴェを加熱する際にオーク材ではなく乾燥させたキオーテ(アガヴェの花芽)を使用することで、スモーキーさは穏やかに仕上がっている。グラッシーな植物香を伴うすっきりした甘み、ほんのりチリペッパーあるいはハラペーニョ系のスパイス感やかすかにヨーグルトを想起させるような香味も。

⑩ Derrumbes Durango　デルンベス デュランゴ　44.9%　¥850 / 935

※ ドゥランゴ州はメスカル生産地域で最も北東の州。原料アガヴェは野生種ドゥランゲンシス100%。アーシーなスモーク感に軽い酸味を伴う発酵系の香味、その背後には甘みやじんわりとスパイス感も感じられ、どっしりとした味わい。今回の４種では最もクセの強いタイプに思われ、メスカル上級者向けの印象。

⑪ Derrumbes Michoacan　デルンベス ミチョアカン　44.9%　¥1250 / 1375

※ ミチョアカン州は中西部の海に面した州。原料アガヴェはクプレアタ＋希少種イナエキデンス。どちらも同州の象徴的品種とのこと。他の３種よりも価格が高いのは生産コストのかかる品種を使用しているためであろう。燻し系のスモーク感には香ばしさが感じられ、軽い酸味と甘み、スパイス感に加え、ほのかな渋みがあり、今回の４種では最も複雑な味わいに思われる。