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★10月の新入荷⑦★Togouchi Single Malt
2023.10.20
⑦ Togouchi Single Malt 戸河内 シングルモルト 46% ¥1100 / 1210
※ 広島、桜尾蒸留所製ジャパニーズモルト。2018年に生産を開始した同所が2022年にリリースした2種類のコアレンジシングルモルト商品の一つ。桜尾貯蔵庫で熟成される「桜尾」が4種の樽を使用しているのに対し、「戸河内」は安芸太田町戸河内の廃線となった鉄道トンネル内で熟成されたバーボン樽熟成原酒のみを使用。四季を通じて冷涼な貯蔵庫で3年以上熟成された本品はバニラ、リンゴ、メロンなどのアロマにすっきりとした甘みがあり、爽快でスムーズな飲み口とのこと。43%。
★追記:4月に導入した「桜尾」と同時発売された桜尾蒸留所のもうひとつのシングルモルトですが、定価で購入できる機会はなかなかない様子で、蒸留所名を冠した「桜尾」よりも本品の方が人気があるのかもしれません。
さて、その味わいですが、なるほど「桜尾」よりも人気があってもおかしくないな、と思いました。「桜尾」同様、3年程度の熟成としては柔らかくまろやかな飲み口で、バニラ+ハネデューメロン系の爽やかな甘みが魅力的。飲み下すとホワイトペッパー系のスパイス感とかすかなオーク感がその甘みと調和します。4種の樽(詳細非公表)を使用しているという「桜尾」ほど複雑さはなく、シンプルですっきりした味わいですが、その分完成度は高いように感じられます。業界の大先輩であるサントリーが「山崎」と「白州」という特徴の異なる2つの軸を持っていることをイメージして、「桜尾」には山崎的な、「戸河内」には白州的な立ち位置を意図したのかなあ、と考えたりしますが、より複雑な「桜尾」が完成域に達するにはもう少し時間が必要なのかもしれません。
初リリースのコアレンジシングルモルト2種で、その高いポテンシャルを示した桜尾蒸留所。今後さらに美味しいウイスキーを造っていってくれることが期待できそうです。