BLOG

② Miltonduff 13y [Wonder of Spirits]　ミルトンダフ 13年 [ワンダーオブスピリッツ]　58.8%　¥1800 / 1980

※ スペイサイドモルト。グレンバーギー、グレントファースと並びバランタインのキーモルトのひとつとなっているミルトンダフ。多くはバランタインの原酒として使われるためオフィシャルボトル製品は少なく、現在入手可能なのは2017年にバランタインのラベルでシリーズでリリースされた「15年」のみ。柔らかく上品な仕上がりだが、40%でのボトリングのせいか、「重めのボディでしっかりしたコクのあるフレーバー」とされるその持ち味はやや分かりにくい印象。本品は日本の新興ボトラーズT&T Toyamaからリリースされたバーボン樽熟成によるシングルカスクのカスクストレングス商品。ﾘｯﾁなモルト感を中心に同所の持ち味が十分に堪能できる209本のみの限定品。58.8%。

★追記: 私が飲んだことのあったミルトンダフは上記のバランタインのシリーズの「15年」(40%)のみ。だてに15年熟成ではない美味しいウイスキーではありますが、３種リリースされた同シリーズの中でもやや主張の弱いタイプに感じられ、ブレンドの中で力を発揮するタイプなのかな、という印象を受けました。一方でいずれもっと度数の高いものでミルトンダフの底力を味わってみたい、という思いがずっとありまして、今回それをようやく体感できました。

･･･めちゃめちゃ美味しいです😋。バーボン樽熟成らしいバニラ感にハーブ感やシナモン系のスパイス感の加わった香ばしい独特の甘みは実に魅力的。その香味はトップノートのイメージではなく、ミドルレンジでじわじわとコクと旨みを感じさせてくれるイメージ。ハーバル感にはほのかな苦みもあり、それが「重めのボディでしっかりしたコクのあるフレーバー」を醸すのに一役買っているようです。樽感も感じますが、ウッディという感じではなく、様々な香味が入り混じったエステリーな熟成感という印象。素晴らしいです。

「15年」をあらためて飲んでみると、「15年」にもなるほど共通する魅力的な香味があることが分かります。思うに、華やかなタイプではなく、しみじみ美味いタイプであるために40%まで加水された「15年」ではインパクトは弱まってしまうのかもしれません。しかしその持ち味と実力はやはり偉大で、「バランタイン」がブレンデッドの名品たる所以はミルトンダフのようなミドルレンジをしっかりとふくらませてくれる縁の下の力持ち的原酒の存在にあるのでしょうね。