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⑤ Old Ballantruan 10y　オールドバラントルーアン 10年　50%　¥1100 / 1210

※ トミントール蒸留所製スペイサイドモルト。スペイサイドでは珍しいヘビリーピーテッドモルト。同所はボトラーズのアンガスダンディーがオーナー。「バラントルーアン」はトミントール蒸留所が仕込水に使っている水源の名であるが、理由は不明ながら本品が同所製であることはどこにも書かれていない。2009年にノンエイジが、2012年に本品「10年」がリリースされた。バーボン樽による熟成で、しっかりしたピートスモーク感を中心にバニラ感を伴う甘みやスパイス感が調和した味わい。ウイスキーバイブル2018では94.5点を獲得している。50%。

★追記：早速ですが飲んでみた感想です。香ばしい焚き火系の明確なピートスモーク感、ほんのりレモン系の酸味、ほんのりバニラ感を伴うモルティな甘み。ピートスモークにヨード感はあまりありません。飲み下すと50%の刺激と共にペッパー系のスパイス感。控えめな酸味＋甘みの主張の後、じわじわとほろ苦いタンニン感を伴う焚き火系のスモーキーな香味がさらに際立ってきます。フェノール値の記述が見つけられませんが、かなりしっかりとヘビリーピーテッド、という印象です。

トミントール蒸留所のオーナーであり、オールドバラントルーアンのブランドオーナーでもあるアンガスダンディーが、何故本品をトミントールとは別のブランドとして展開しているのか、飲んでみて何となく分かるような気がしました。トミントールのイメージとはかなりかけ離れています。当店には別のトミントールのピーテッド版「トミントール ピーティータン」(40%：以下PT。現在は「トミントール ピーテッド」という後継品となっています)もありますが、PTにはトミントールらしいまろやかでクリーンな酒質と華やかな甘みが感じられるのに対し、本品はピートスモークやスパイシーな香味がぐっと強く、甘みも控えめ。全く異なる仕上がりです。トミントールのイメージに合致するのはやはりPTで、本品は意図的にそれとは異なるフレーバーのヘビリーピーテッドモルトを目指したのではないかな、と感じました。50%でのボトリングによる力強い味わいもほとんどのトミントール製品が40%であることを考えればなるほど別のラインナップとするのも頷けます。

アイラのピート感ともまたひと味違う「スペイサイドのヘビリーピーテッド」。アンガスダンディーがこのブランドで目指した方向性はトミントールブランドとはまたひとつ違う個性を造り出すことに成功していると言えるのではないでしょうか。