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★1月の新入荷⑨★The Epicurean

2024.01.25

 

おっと、モルトウイスキーを1本スキップしてしまいました。⑨として紹介します。

⑨ The Epicurean エピキュリアン 46.2% ¥800 / 880

※ ブレンデッドモルト。ボトラーズのダグラスレインがスコットランドの各地域のモルト原酒をブレンドした「リージョナルモルトシリーズ」のローランド版。本品で当店も同シリーズが一通り揃ったことになる。オーヘントッシャンとグレンキンチーをメインに、もう一つ非公表の蒸留所の原酒が使われているらしい。「エピキュリアン」とは古代ギリシャの哲学者エピクロスに由来する粋な「快楽主義者」や「美食家」を表す言葉。ふくよかなモルト感、柑橘、ピーチ、ハーブ、スパイスなどの香味がスムーズな飲み口に溶け込んだ味わい。46.2%。

★追記:当店でも「リージョナルモルトシリーズ」が一通り揃ったところで、シリーズ6種をまとめてみます。
①ビッグピート:アイラ島の蒸留所製原酒によるブレンデッドモルト。原酒蒸留所:アードベッグ、カリラ、ボウモア、ポートエレン。
②スカリーワグ:スペイサイドの蒸留所製原酒によるブレンデッドモルト。原酒蒸留所:マッカラン、モートラック、グレンロセス、他。
③ティモラスビースティ:ハイランドの蒸留所製原酒によるブレンデッドモルト。原酒蒸留所:グレンギリー、ダルモア、グレンゴイン、他。
④ロックオイスター(現在はロックアイランドに品名変更):スコットランドの島々の蒸留所製原酒によるブレンデッドモルト。原酒蒸留所:蒸留所名は非公表ながらジュラ島、アイラ島、アラン島、オークニー諸島の蒸留所。
⑤エピキュリアン:ローランドの蒸留所製原酒によるブレンデッドモルト。原酒蒸留所:オーヘントッシャン、グレンキンチー+非公表1所。
⑥ゴールドロンズ:キャンベルタウン蒸留所製原酒によるブレンデッドモルト。原酒蒸留所:スプリングバンク、グレンスコシア。

全体的に若めの原酒を中心とした構成と思われインパクトの強い味わいではないかもしれませんが、比較的お手頃価格でそれぞれの地域の特徴を表現した入門編としてよくできたシリーズではないかと思います。「スカリーワグ」は重ためのシェリー樽由来の香味があり典型的なスペイサイドのイメージとはちょっと違うようにも感じられますが。好評とみえて近年はより熟成の長い原酒を使用した上位版なども次々とリリースされています。

さて、本品はそのローランド版。ローランドモルトはスコッチでは珍しい3回蒸留の蒸留所が複数あったこともあり、ライト、穏やか、デリケートなどと形容されてきました。この十数年の間にローランドでも相当数のモルトウイスキー蒸留所が新しくオープンしていますが、前世紀から稼働を続けているのはオーヘントッシャン、グレンキンチー、ブラドノックの3所だけ。そのオーヘントッシャンとグレンキンチーを中心としているわけですから、従来のローランドのイメージは確実に表現されていそうです。非公表のもうひとつの蒸留所は本品の初リリースが2016年ということを考えると、不安定な操業だったブラドノックではなく、2007年に創業されたアイルサベイ蒸留所ではないかな、と推測します。では飲んでみた感想です。

香りはすっきり系ですがハーバルでモルティ。その奥にはシトラス+果実系の甘みを感じます。口に含むと程よくモルティでグレンキンチー12年と共通するピーチ系の甘みが印象的。ハーブのアロマや軽いスパイス感が全体をすっきりさせています。ローランドのイメージ通り穏やかな飲み口ですが、適度なボディ感もあり、香味はしっかりしています。印象としてはグレンキンチーが中心で、そこにオーヘントッシャンが加わることでハーブ感やスッキリ感が増幅されているのかな、という感じ。試しにグレンキンチー12年に少しオーヘントッシャン12年をブレンドしたものを飲んでみたところ、かなり似た味わいに感じられました。

ローランドの新興蒸留所が続々と独自の味わいを追求したシングルモルトをリリースしている現状を考えると、10年後は「ローランドらしさ」を語るのは難しくなっているのではないでしょうか。本品は現時点ならではの「ローランドらしい味わい」と言えるのかもしれません。

 

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